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浄土真宗の焼香の作法|回数と押しいただかない理由を解説

著者: お葬式のいろは公開: 2026年10月4日

この記事について

葬儀に関する一般的な情報をまとめたものです。地域・宗派・葬儀社によって異なる場合があるため、具体的な金額や手続きは、お住まいの自治体や葬儀社にご確認ください。 最終更新:2026/10/4

浄土真宗の焼香は、本願寺派(お西)が1回、真宗大谷派(お東)が2回です。どちらも抹香を額に押しいただきません。焼香は故人の冥福を祈る行いではなく、阿弥陀如来を敬い、教えに感謝する行いと考えられているためです。焼香のあとは合掌し、念仏を称えます。迷ったときは喪家や会場の案内に合わせれば失礼にはなりません。

浄土真宗の葬儀で焼香をするときは、次の2点を押さえておけば大きく迷いません。

  • 回数は、浄土真宗本願寺派(お西)が1回、真宗大谷派(お東)が2回
  • どちらの派も、つまんだ抹香を額に押しいただかない

焼香のあとは合掌し、「南無阿弥陀仏」と念仏を称えて一礼します。この記事では、この作法の理由と具体的な手順を説明します。本願寺派と大谷派の違い、参列者が迷いやすい場面への対応もまとめました。

焼香を含む参列マナー全般は「葬儀参列マナー完全ガイド」で解説しています。この記事では浄土真宗に絞ってくわしく見ていきます。

浄土真宗の焼香は回数と押しいただかない点が特徴

本願寺派は1回、大谷派は2回

浄土真宗にはいくつかの派があります。そのうち信者が多いのが、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派です。

項目浄土真宗本願寺派(お西)真宗大谷派(お東)
本山西本願寺(龍谷山本願寺)東本願寺(真宗本廟)
焼香の回数1回2回
押しいただくしないしない
焼香のあと合掌し念仏を称える合掌し念仏を称える

焼香1回とは、香をひとつまみして香炉にくべる動作を1回行うことです。大谷派の2回は、この動作を2回くり返します。

浄土真宗にはほかの派もあり、派によって回数が異なる場合があります。喪家がどの派かわからないときは、葬儀社や受付の人に確認すると確実です。

他の宗派との違い

他の多くの宗派では、つまんだ抹香を額の高さまで掲げてから香炉にくべます。この所作を「押しいただく」といいます。回数も宗派によって1回から3回までさまざまです。

浄土真宗の参列者が目を引きやすいのは、回数よりも押しいただかない点です。周りの人が額に掲げていなくても、浄土真宗ではそれが正しい作法です。

浄土真宗で香を押しいただかない理由

焼香は故人のためではなく、仏を敬う行い

一般的な仏教の考え方では、焼香には次の意味があるとされます。

  • 香りで自分の心と体を清める
  • 故人の冥福を祈り、供養する

押しいただく所作には、香を敬い、自分の祈りや思いを込める意味があると説明されます。

浄土真宗の考え方は少し異なります。浄土真宗では、阿弥陀如来の力によって、人は亡くなるとすぐに浄土に生まれると説かれます。そのため、遺された人の行いで故人の行き先を良くする、という考え方をとりません。

焼香も、故人の冥福を祈るためではありません。阿弥陀如来を敬い、その教えに感謝する気持ちを表す行いと位置づけられています。

自分の力で清める必要がないという考え方

浄土真宗では、自分の修行や努力で救いを得ようとすることを「自力」と呼びます。これに対し、阿弥陀如来の力にすべてをまかせることを「他力」と呼び、他力の教えを大切にします。

香を額に掲げて祈りを込めたり、自分を清めたりする所作は、自力の行いにあたると考えられます。そのため、香をつまんだらそのまま香炉にくべる作法になっている、と一般に説明されます。

押しいただかないのは、略式だからでも、香を粗末に扱うからでもありません。教えの考え方に基づいた作法です。

回数に込められた意味は派によって説明が異なる

本願寺派が1回、大谷派が2回である理由については、それぞれの派で考え方や説明が異なります。回数そのものに特別な祈りの意味を持たせているわけではない、とされることもあります。

参列者として大切なのは、回数の理由をくわしく知ることよりも、喪家の派の作法に合わせて心を込めて行うことです。

浄土真宗の焼香の手順

ここでは、葬儀場でよく行われる立礼焼香(立ったまま行う焼香)の流れを説明します。

立礼焼香の流れ

  1. 順番が来たら焼香台へ進む。手前で遺族と僧侶に軽く一礼する
  2. 焼香台の前に立ち、ご本尊(阿弥陀如来)に一礼する
  3. 右手の親指、人差し指、中指で抹香を少量つまむ
  4. 額に押しいただかず、そのまま香炉の炭の上にくべる
  5. 大谷派の場合は、3と4をもう一度くり返す
  6. 数珠を両手にかけて合掌し、「南無阿弥陀仏」と念仏を称える
  7. 合掌を解いて一礼する
  8. 少し下がって遺族に一礼し、席に戻る

念仏は、小さな声で称えるか、心の中で称えるだけでもかまいません。声の大きさに決まりはありません。

座礼焼香と回し焼香

自宅や寺院の和室では、座ったまま焼香する座礼焼香が行われることがあります。焼香台の手前まで膝で進み、座った姿勢で同じ手順を行います。

席に座ったまま、香炉と抹香を載せた盆を順に回す回し焼香もあります。盆が回ってきたら軽く一礼して受け取り、自分の前に置いて焼香します。終わったら合掌して一礼し、次の人へ回します。

どちらの場合も、回数と押しいただかない点は立礼焼香と同じです。

参列者が多いときは案内に従う

参列者が多い葬儀では、時間の都合から「焼香は1回でお願いします」と案内されることがあります。その場合は案内に従えば問題ありません。

喪主や遺族は先に焼香するため、周りの参列者が手本にすることがあります。喪主になる人は、事前に葬儀社や僧侶に作法を確認しておくと安心です。

線香と数珠の扱いにも違いがある

線香は立てずに寝かせる

浄土真宗では、線香を香炉に立てず、寝かせて供えるのが一般的です。通夜のあとや自宅の仏壇、後日の弔問などで線香をあげる場面があります。

  • 線香を1本、香炉の幅に合わせて2つか3つに折る
  • ろうそくの火で火をつける
  • 火のついた側を左にして、香炉の灰の上に横に寝かせる

線香の火を口で吹き消すのは避け、手であおいで消します。本数や折り方は派や寺院によって異なる場合があるため、迷ったら喪家に確認します。

数珠の掛け方

合掌するときの数珠の掛け方も、派によって違いがあります。

  • 本願寺派:合掌した両手に数珠をかけ、房を下に垂らす
  • 大谷派:数珠を両手にかけ、房を左側に垂らす

浄土真宗の門徒でない参列者は、手持ちの数珠を使ってかまいません。数珠をこすり合わせて音を立てる作法は浄土真宗にはないため、静かに合掌します。

自分と喪家の宗派が違うときの考え方

基本は喪家の宗派に合わせる

焼香の作法は、喪家の宗派に合わせるのが望ましいとされます。とはいえ、参列者が自分の宗派の作法で焼香しても、失礼にあたるとは考えられていません。

大切なのは、回数や所作の正確さよりも、落ち着いて心を込めて焼香することです。宗派がわからない、作法に自信がないときは、前の人の動きに合わせるのも一つの方法です。

事前に確認する方法

喪家の宗派は、次の方法で確認できます。

  • 葬儀の案内状や訃報に寺院名や宗派が書かれていないか見る
  • 会場の看板や式次第を確認する
  • 受付や葬儀社のスタッフに尋ねる

同じ浄土真宗でも、本願寺派か大谷派かで回数が変わります。「浄土真宗」とだけ書かれている場合は、派まで確認するとより確実です。

よくある質問

うっかり香を押しいただいてしまったら失礼になりますか

大きな失礼にはなりません。焼香は形よりも気持ちが大切だとされています。気にしすぎず、そのまま合掌して一礼し、落ち着いて席に戻りましょう。

本願寺派か大谷派かわからないときは何回焼香すればよいですか

まずは受付や葬儀社のスタッフに確認するのが確実です。確認できないときは、前の人や遺族の焼香に合わせるとよいでしょう。会場で回数の案内があれば、それに従います。

浄土真宗の葬儀で香典の表書きはどうすればよいですか

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏になると考えるため、「御霊前」ではなく「御仏前」とするのが一般的です。迷う場合は「御香典」とする方法もあります。地域や喪家の考え方によって異なることもあるため、気になるときは周りの人に確認しましょう。

焼香のときに念仏を声に出さなくてもよいですか

かまいません。小さな声で称えても、心の中で称えても問題ありません。念仏の言葉がわからないときは、静かに合掌して一礼するだけでも失礼にはなりません。

喪主は参列者と違う作法をする必要がありますか

焼香の回数や押しいただかない点は、喪主も参列者と同じです。喪主は最初に焼香することが多いため、事前に僧侶や葬儀社に作法を確認しておくと落ち着いて行えます。

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よくある質問

通夜と告別式のどちらに参列すべきですか?
一般的に、故人と親しい関係であれば両方に参列しますが、どちらか一方の場合は告別式に参列するのが一般的です。仕事の都合等で告別式に出席できない場合は通夜のみでも失礼にはあたりません。
家族葬に参列してもいいですか?
家族葬は基本的に近親者のみで行う葬儀です。参列の案内がない場合は、ご遺族の意向を尊重して参列を控えるのがマナーです。弔意を示したい場合は、後日弔問するか、弔電・供花を送る方法があります。
香典の金額はいくらが相場ですか?
香典の相場は故人との関係性によって異なります。職場関係は5,000〜10,000円、友人は5,000〜10,000円、親族は10,000〜100,000円が目安です。偶数や「4」「9」の数字は避け、新札は使わないのがマナーです。
焼香の正しいやり方を教えてください
焼香は宗派によって回数が異なります。一般的には1〜3回です。抹香を右手の親指・人差し指・中指でつまみ、額の高さまで持ち上げてから香炉に入れます。不安な場合は、前の方のやり方を参考にしても問題ありません。
葬儀は必ず行わなければいけませんか?
法律上、葬儀の実施は義務ではありません。ただし、火葬(または埋葬)は法律で義務付けられています。通夜や告別式などの儀式は、遺族の判断で省略することも可能です。近年は、火葬のみを行う「直葬」を選ぶ方も増えています。